ニューカレドニアのラグーンの温かく安全な海域は、南の海が冬を迎えるこの時期、クジラにとって絶好の越冬場所となります。クジラたちはここでゆっくりと休息をとり、繁殖・出産をし、9月に南極に帰っていく前に子供たちを育てるのです。
体長11〜13mにも成長するザトウクジラには、長い胸びれがあります。「海のピエロたち」とも呼ばれるザトウクジラは、水面から突き出した尾びれで、力強く海面を叩くパフォーマンスを見せてくれます。壮大でアクロバティックなジャンプに興じるこの“優しい巨人たち”はまた、交尾の鳴き声と考えられる長く複雑な音色の歌も聞かせてくれるのです。雄クジラはなんと数時間にわたり数十回も、時にはその振動や周波数を変えながら、繰り返し歌い続けることもあります。